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にえガレのブログ

「捉われずに拘る」をモットーにしております。

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にえ

Author:にえ
「Nie's garage」略して「にえガレ」のブログへようこそ!

『捉われずに拘る』をモットーにやっております。

2ストローク色がやや強そうにみえるかも知れませんが、4ストロークも含め どのようなバイクに乗っておられる方にも見ていただけるように配慮しているつもりです。

少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。

~Nie's garage OSAKA JAPAN~

☆お問い合わせはこちらまで☆
niesgarage@gmail.com

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2010.01
08
「SUSのボルト(ねじ)は嫌いじゃぁ~」とアッチコッチで書いています。

理由は沢山ありますが、SUSが「まるでダメ」ということではありません。
要は「適材適所」があるんだよ!ってことが言いたいのです。

今日は、強度(とりあえずこう表現します)の観点から、私なりの考えを整理してみたいと思います。

1.構造物とねじ
ねじがなければ、この世は立ち行かなくなるといって過言ではありません。
ほとんど全ての構造物に、ねじが用いられています。

ねじを使う目的は、複数の物体を動かなくすることにあります。
そして、この時の固定する力は「軸力」と呼ばれています。


2.軸力と締め付けトルクの関係
軸力は固定されたモノとモノの間で、ねじに働く力です。
簡単には測定できません。そこで代替特性として活用されているのが「締め付けトルク」です。

締め付けトルクの変動要因はたくさんあります。
ねじ山のコンディションを整えたり、状況に応じた潤滑が必要となる理由でもあります。

”本来管理されるべきは軸力”ということを頭の中にしっかりおいておく必要があります。

便宜上、ここから先の文面では、軸力を「締め付けトルク」と置き換えて表現したいと思います。


3.ねじ強度

必要な強度や剛性を確保するために、どのようなねじを使うのか?を検討しなければなりません。
言い方を変えると、車両メーカーは「どのようなねじを使うのか」をしっかり検討し、設計しているということです。

3-1.強度区分
ねじには、強度区分というものがあります。

ねじの頭にある、「4.6」や「8.8」というのがそれです。

この数字の意味は、例えば8.8の場合、前の数字×10が引張強さ(単位:kg/mm2)で、後ろが降伏比(%)です。
降伏点を求めるには、引張強さ×降伏比となります。
(逆にいうと、降伏比=降伏点/引張強さ×100です)

3-2.締め付けトルクの計算式について(締め付けトルクを決める要素)
締め付けトルクを計算する式があります。

『T=K×D×P』

  T=締め付けトルク
  K=トルク係数(通常0.17の定数を用いる。ねじ表面と被締め付け物及びめねじ材質の組合せなどにより異なる)
  D=ねじの呼び径
  P=ねじの推奨締め付け軸力=保証荷重応力(降伏点×0.85)×ねじ断面積×0.8

ちょっと分かりづらいので整理しなおすと、

 締め付けトルク=
 「トルク係数」×「ねじの呼び径」×「降伏点×0.85×ボルト断面積×0.8」

となります。

同じ寸法のねじであれば、変数が『降伏点』であることが分かります。

先に述べたとおり、構造物に必要とされる「軸力」は「締め付けトルク」により管理されています。
その締め付けトルクを決める「降伏点」は、とても重要な要素ということです。

降伏点。あまり耳慣れない言葉かも知れませんので、簡単かつ乱暴に表現すると…。
降伏とは、「元に戻らなくなる」ということです。

やや専門的にいうと、降伏する前のことを弾性域といいます。
力を加えて変形していても、力を抜いてやれば「元に戻る」領域です。
弾性域を越えて力を加えると降伏⇒変形するということです。

ねじに置き換えると、微細なレベルではあれ「締め付け」により変形をします。
ある量を超えたら戻らなくなる…伸びて戻らなくなる状態を示します。

3-3.強度区分と締め付けトルクの実際
前項で示した計算式に基づき、M10×1.25でチャチャチャーっと計算してみました。

強度区分  締め付けトルク(N・m)
4.6      16.7
6.8      33.4
8.8      44.5
10.9     62.6
12.9     80.6

当該サイズのねじの、サービスマニュアルに記述された(=規定された)締め付けトルクは、35~40N・m程度が多いように思います。
このことから、最低でも強度区分8.8以上のねじを用いなければ、規定トルクで破断してしまう可能性が高いということになります。

別の言い方をすれば、折れないようにねじを締め付けた場合、設計上の軸力が担保出来ないことになります。

※ホームセンターで売られているねじの多くは「4.6」です。俗称「ナマクラ」。
 純正が「8.8」を使用していると仮定すると、締め付けトルクに大きな差(3倍近い!)があることが分かります。
 安易に使っちゃダメですよぉ~。(キャップボルトは12.9が多いですね)

3-4.SUSねじの締め付けトルク
一般的に売られているSUS304のねじは、強度区分A-70が多いようです。
そう「3-1.」で書いた強度区分の表現方法とは異なります。

なんとSUSの強度区分には鋼のそれにある「降伏点」が含まれておらず、引張強さだけが規定されています。
(A-70は 引張強さ 700N/mm2)

先に書いたとおり締め付けトルクは「降伏点」で計算します…。

あれこれ探してみると、A-70の降伏点は450N/mm2くらいのようです。
降伏比でいえば、65%程度とかなり低い。

つまり、鋼のねじに比較し、締め付けトルクが稼げないことを意味します。

私の計算では、鋼のねじの降伏点は、8.8で670N/mm2、10.9で880N/mm2、12.9で1060N/mm2程度となりますから、その違いは明らかです。

締め付けトルクが稼げない⇒軸力が稼げない⇒構造物としての強度や剛性を確保できない…ということです。

私がSUSのねじを使わない大きな理由の1つです。


3-5.無視できない「めねじ」の強度

ここまでは「おねじ」の話で進めてきましたが「めねじ」も無視できません。

特に「せん断」強度は無視できない要素です。
話しが長くなるのと、完全に理解できていないので簡単に書くと…。

せん断強度を決める要素の代表的なものに、
・材質(強度にもっとも寄与)
・有効ねじ径

があります。よく「めねじ強度をあげるために、ヘリサート加工をした」なんてことを耳にします。
ヘリサートを入れる主たる目的は「有効ねじ径」をあげるためだと考えています。

ヘリサートのスプリューがSUS製であることよりも、ねじ径が大きくなる方が意味があるのでは…ということです。
(まだ十分に検証できていないのでハッキリとはいえませんが)


4.まとめ

色々と書きすぎて…まとまりません(笑)

バイクを触るにあたって「ねじ」を知ることはとても大切なことだと思います。

見映えや錆びづらいという安易な理由で「SUS」のねじを使ったり、サイズが合うからとホームセンターで売っているナマクラなねじを使うことは「場所によっては」危険だということです。
逆にいえば、使い方を吟味すれば(或いは 吟味してこそ)「SUSを使う意味」も出てくるということです。

今回は、「強度」の観点で整理してみました。今後、かじりやすさや、折れやすさなど他の観点から整理しても面白いなぁーと思っています。


<最後に>
SUSのことを言いたいのか?といえば、それだけでもなく…多少モヤモヤした文章になってしまいました。

ところで、私は専門化ではありません。確かに、某大学の理工学部 金属工学科を”卒業”していますが、熱心な学生ではありませんでした(汗)
また、エンジニアの端くれではあるものの「ねじ」「構造物」「強度計算」については、素人レベルです。

これらの情報は、バイクをいじる過程で疑問に思い自分で調べたものばかりです。
まだまだ不勉強ですし、根拠が不十分が故、確信をもてない部分があります。
言葉足らずの点、誤った点もあろうかと思います。
あくまで参考情報というか…「へー、そんなこともあるんだ」程度に捉えていただきたく思います。



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