FC2ブログ
RSS
Admin
Archives

にえガレのブログ

「捉われずに拘る」をモットーにしております。

プロフィール

にえ

Author:にえ
「Nie's garage」略して「にえガレ」のブログへようこそ!

『捉われずに拘る』をモットーにやっております。

2ストローク色がやや強そうにみえるかも知れませんが、4ストロークも含め どのようなバイクに乗っておられる方にも見ていただけるように配慮しているつもりです。

少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。

~Nie's garage OSAKA JAPAN~

☆お問い合わせはこちらまで☆
niesgarage@gmail.com

最新記事
最新コメント
カテゴリ
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
カレンダー
11 | 2008/12 | 01
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
最新トラックバック
月別アーカイブ
FC2ブックマーク
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
Powered by fc2 blog  |  Designed by sebek
2008.12
19
続いて、ねじの話しです。



ねじの”素材”や”製法”については、専門ではないので、あまり詳しくありませんが…。



ちょっと調べてみたことを備忘録的に書いておきます。



キャリパーサポートを装着すると、STDは異なる長さのねじが必要です。

SUS製ねじが、あまり好きではない私ですが、入手性は悪くありません。一度は検証しておくことにしました。



応力腐食割れなど、SUSならではの(私が嫌う)デメリットはさておき、今回は強度面から検証しました。

(あくまでも”など”です。嫌う理由はもっとある)



まず”目星”をつけたのは、ホームセンターでよく見かける強度区分のものです。

強度区分とは、ボルトに表示されたA2-50とか、A2-70という数字です。

これ、鋼製の区分表示とは、ずいぶん違います。後ほど書きますが、ちょっと不安だったのです。



JISの総目録で調べてみると、ステンレスねじの機械的性質を示したJISがありました。JIS B 1054です。



私が所有するJISのハンドブックには記載がなかったので、ネットで情報をあさりました。

比較的簡単にヒットしました。



(1) A2-50(各種製造方法のもの)

 オーステナイト系ステンレス鋼で鋼種区分2の材質を使用し、引張強さが500N/m m2以上のもの

(2) A2-70(冷間圧造で強度を得たもの)

 オーステナイト系ステンレス鋼で鋼種区分2の材質を使用し、引張強さが700N/m m2以上のもの



ほほぉ。



A2というのは、使用できるSUSの鋼種を示しているようです。

代表的な鋼種として、「SUS304、SUS304J3、SUS305、SUSXM7等」があるようです。



まず、(1)A2-50ですが、SUSの中ではナマクラな素材とみました。

熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯(JIS G 4304)では、

 引張強さ(以後TS) 520以上

 耐力(以後YS) 205以上とあります。それぞれ単位はN/mm2です。



まぁ、普通に熱間で製造したSUS304あたりを使えってことですね。



オーステナイト系のSUSは、同じくらいの引張強さを有する(SUSではない)鋼と比較して、耐力が低めです。



これが私が「不安」を覚える部分です。



さて、次に(2)A2-70。こいつは冷間圧造か。圧造…のJISは手持ちじゃないので、これまた鋼板のJISで代用します。

冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯(JIS G 4305)では…該当する鋼種がありませんが、ほぼ引張強さが同じ鋼種の規格値をみると

 引張強さ(TS) 690以上

 耐力(YS) 345以上

とある。



304に代表されるオーステナイト系ステンレス鋼は固溶化熱処理を施しますから、YSが低くなる傾向にあり、大きく外してはいないと思います。



ここで、YR(降伏比%)=YP/TS*100を見てみます。



(1)A2-50の代表鋼種のYR 205/520*100=39

(2)A2-70の代表鋼種のYR 345/690*100=50



やっぱり低いですね~。





続いて、鋼に話を移しましょう。



鋼のねじの強度区分は、JIS B 1051 鋼製のボルト・小ねじの機械的性質に規定されています。



いわゆる、8.8とか、10.9って表記ですね。



ねじの強度区分は、例えば8.8の場合、前の数字×10が引張強さ(単位:kg/mm2)で、後ろが降伏比(%)ですから、



例えば8.8の場合ですと、



  引張強さ 8×10=80kg/mm2 ⇒784N/mm2

  降伏点 80×0.8=64kg/mm2 ⇒628N/mm2



となります。



上に示したSUSとの降伏比の違い…。

まぁ、SUSの方は、ねじのJISでチェックしたものではない、まったくの参考値ですからアテにはなりませんが…。

先に書いたとおり、304に代表されるオーステナイト系ステンレス鋼の場合は「固溶化処理」という熱処理が必須。。。



となれば、遠からずの数値であることが予想されます。

(結晶構造も影響していると理解していますが…ここでは割愛)



降伏比は、降伏点/引張強さ*100で求めます。



つまり降伏比が高ければ高いほど、降伏点と引張強さの差が小さいということです(%なので絶対値の差ではありませんが) 。



降伏点とは、弾性域を超えたことを意味します。



弾性域を超える=変形しても元に戻らない領域=変形を意味します。



実際にねじを使う目的を考えると…引張強さが強くても意味がないですね。

伸び切ってしまわれると困るわけですからね。



気にしなければならないのは、耐力や降伏点※だということです。

※構造物の強度を検討するにおいては、ほぼ同じ意味として捉えて差し支えない。解説すると長くなるので、ここでは割愛



ちなみに、ここで誤解してはいけないのは、ここで”重要ですよ”といってるのは、弾性域を超える限界値…の話であって、弾性域内での伸びやすさではないということです。



弾性域内での伸びやすさ…かなり乱暴にいえば剛性は、また別の議論です。

ちなみに、SUS304と普通鋼のヤング率は、ほぼ同じです。







ここまでの検証の結論として。。。。





もしかしたら、降伏比の規定はされているかも知れないが…オーステナイト系のスレンレス鋼の性質的に、あまり高い耐力がは期待できない「強度区分A2」クラスのねじは、強度の要求される部位に使うべきではなさそうです。

(ココ、重要なので、もうちょっと調べてみますが。しかし、高降伏比をうたうSUSボルトがあること、またそれですら鋼に比べると低いことから、傾向として耐力が低いことは間違いないと考えています)





よく、用品店のオリジナル商品で、キャリーパーの締結ボルトをSUSにしているものを見かけます。

”まさか”A2-70なんて使ってないよねぇ~。って使ってるヤツあるんですよねぇ~。



前に、ブレーキマスターおよびキャリパーの油圧レシオの計算をしたとき、キャリパーにかかる荷重も算出しています。

その数値を含めて検証すると「ホンマに大丈夫?」と思う数値となります。もちろん、安全係数を考慮すればの話であり、たちまちブチ!っといくレベルではありませんが。



モノが”ブレーキ”である以上、「アホなモンに金使うのやめときなはれ」と言いたくなってしまうのでした。





ということで、やはり純正部品番号のロジックから、使用箇所に見合った強度区分のねじを調達すべきと思うのでした。

あるいは、強度区分を指定して、ねじ屋さんで買い求めたいものです。



ちなみに、どの強度区分のものを用いるのが良いか?については、過去に検証済みです。

当時の検証結果を以下に、転載しておきます。





参考になれば幸いです。





<参考情報1>



締め付けトルクの計算式。



『T=K×D×P』



  T=締め付けトルク

  K=トルク係数(通常0.17の定数)

  D=ボルトの呼び径

  P=ボルトの推奨締め付け軸力=保証荷重応力(降伏点×0.85)×ボルト断面積×0.8



ボルトの断面積は、半径の2乗×円周率だ。

ねじの直径は、ねじの呼び径-ねじピッチで求められるため、例えばM10の1.25ピッチだと8.75mmとなり、断面積は60.13mm2。



これらの予備計算の結果を、前述の式にあてはめると、



T=0.17×1.0×(54.4×60.13×0.8)=444.9kgf/cmとなる。

これをSI単位に換算すると、44.5N・mとなる。



同じ計算を、一般的な強度区分のそれぞれで実施すると、



強度区分  締め付けトルク(N・m)

4.6      16.7

6.8      33.4

8.8      44.5

10.9     62.6

12.9     80.6



ブレーキ周りに使用されているM10×1.25の規定トルクは、35~40N・m程度が多い。よって、強度区分8.8を使用するのが良さそうである。

また、この計算結果をみればホームセンターで売られているボルト(4.6)を使用し、SMの規定トルクで締めればどうなるか?がお分かりになろう。



強度は高ければ高いほど良いわけではなく、強度が高ければ高いなりの締め付けトルクが必要である。

一方、10.9や12.9のように降伏比が高いボルトの使用には、慎重になった方がよい。



(ダメという結論ではなく、締め付けトルクなども含めた、総合的検証が必要という意味である)





<参考情報2>



アルミ材の強度の検証結果。



GXのサポート材として発注した「A2017P」のい検証。



材質       引張強さ    耐力       伸び  SPEC上の降伏比

A5052(H112)  195N/mm2  110N/mm2   7%   56%

7075P(T651)  540N/mm2  460N/mm2   9%   85%

A2017P(T351)  375N/mm2  215N/mm2   12%   57%



7075Pと比較すれば軟質傾向にあるが、400N/mm2の鋼材と同クラスといえなくもない。

板厚は15mm。オフセットをつけるため、4mmくらいまでなら、削り込んでも大丈夫かな?と思えなくもない。



7075Pはやっぱりよさそうだ。あくまでSPEC上ではあるが、降伏比が高く設定されてるのがいい。



ここでも、ホームセンターあたりでアルミ材として売られてるA5052を十分な検証なく使うことが危険であることを声高にいいたい。
スポンサーサイト